下町すみだ      築70年の牧師館暮らし。犬と庭と日々の糧。              
by Annes_Tea
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眠っていた花が目を覚ます

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朝起きると、庭に出てクンシランを眺めた。
ちょっとかがんで、撮ってみる。
むずかしいなぁ、花は。
こういうとき、一眼レフがほしくなる。

そのクンシランはまるまる3年間、眠り続けていた。
それが、2、3日前に目を覚ましたのだ。
クンシランだから濃いオレンジ色だと思い込んでいたのに、
意外にもつぼみから透けて見えるのはクリーム色だった。

クンシランは根も葉も大きく広がる。
だから鉢は大きめ、姿はどう見ても和風だ。
「どうかもらってください」
と近所のおばあさんから頼み込まれたとき、
そんなわけで最初は躊躇したのだ。
でも、
泣く泣くマンション暮らしになる身の上を聞いてしまっては、
首を横に振る気持ちにはなれなかった。

おばあさんの住まいの跡は、
いまではアスファルトに塗り固められて、
とりあえず人が立ち入らないようにフェンスで囲ってある。
そういう場所の運命とでも言おうか、
古いタイヤだとか、壊れた椅子だとか、
ときどき処分に困ったようなものが放り込まれている。
拡張するので立ち退いたはずの道路は、
いつまで経ってもそんな気配すらなく、
古い家屋が壊されて新しいマンションが建っていくばかりだ。

味気なくただ太いだけの葉っぱが植わっていた鉢を、
正直言って、持て余していた。
でも、水と光を与えていれば、
ちゃんと「時」は来るんだ。
なんというか、
眠れる森の美女の目覚めを目撃したようなうれしさ。
やっとクンシランも、
この庭に腰を据える覚悟をしてくれたのかな。


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by Annes_Tea | 2009-04-18 22:55 | 日々の庭と花
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