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下町すみだ牧師館暮らし牧師の奥さん&文筆家・宮葉子のブログ             
by Annes_Tea
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宮 葉子 yoko miya
文筆家+牧師の奥さん


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墨田区のふたつの拠点を中心に、子どもの本のロングセラーを読むゆるやかなサードプレイス。幅広い年代が参加されています。


つながる・祈る・分かち合う「pray&hopeプロジェクト」を主宰。月に一度、女性たちの集まりをもっています。
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草むしりの愉しみ

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              ↑庭に落ちていた小さな青い柿を、水盆風に飾ってみました。


先週からわがやはようやくサマータイムに入った。
と言っても、時計を1時間早めるとかそういう話ではなく、
メルの散歩のことである。
夏の日差しは、毛足の長いボーダーコリーには厳しい。
朝、出遅れると、河川敷に着いて、すぐUターンになりかねない。
走り足りないメルは、一日中、やるせない顔になる。
それで、梅雨が明けると、
いつもより1時間のアーリーバードとなって、メルの散歩に出る。

夏の朝は忙しい。
メルの散歩に始まって、
夫がメダカの点検(生きてる? 水はきれい?)をしている間、
わたしは庭に水をやる。
朝のシャワーを浴びて、むくげやいちじくや桑の木が、しっとりとうるおう。
乾いた地面に水がしみこんでいくうちに、
インパチェンスや千日紅がかぜん生き生きとする。
気温が上がってからの水やりは根を痛める原因になるので、
これも、時間との勝負だ。

草むしりの愉しみ_e0165236_19121185.jpg


先週から、教会の庭は、草むしりの強化週間に入っている。
強い日差しは、雑草をぐんぐんとはびこらせ、
とうてい取りきれないと困っていたら、
若手のMさんが自転車に乗って手伝いに来てくれた。
その話を聞きつけて、今週はベテランのYさんまでもが、バスを乗り継いで来てくれた。
朝9時に集まると、挨拶もそこそこに、
持参した帽子と手袋を身につけて、それぞれが好きな場所を陣取る。

草むしりにも好みがある。
Mさんは庭の隅から根気よく抜いていく。
地面がすっかり茶色の土に変わらないといやなのだという。
Yさんは草花と会話をしているかと思うと、
ときおり、わたしたち人間にも話しかけてくる。口も手も忙しく、よく働く。
わたしは、とにかく目立つものを先に選んで抜くと、
掃いたり、袋に詰めたり、剪定したり、
いつものように、あれこれやと同時進行で動き回る。

「草むしりの醍醐味を知らないのは、損よねぇ」とYさんが言う。
雑草を根こそぎとる。土が見えてくる。
繰り返しているうちに、心がぽかんと空になる。
単純な作業なのに飽きない。
これって、土遊びをする子どもたちの心境に近いのかな。
時間はあっという間に過ぎて行き、
ふと立ち上がれば、庭はこざっぱりとしてかがやいている。
しばらくすれば、またぼうぼうに逆戻りするにせよ、
とにかく今はやりとげた達成感でいっぱいになる。

ドクダミを抜くかどうかで迷った。
でも、その下に生えているへびいちごを生かしたいので、
今回は全部抜くことにした。
教室で子どもたちと雑草について学んだことがある。
そのときは、どくだみを触る度にあの独特な香りが立つので、
子どもたちは、くさい、くさい、と大騒ぎをした。
「これ、洗って、きざんで、おしょうゆで和えて、ごはんにかけるとおいしいのよ」
とYさんが教えてくれる。知らなかった。

草むしりの愉しみ_e0165236_1913839.jpg


予定を越えて、11時までねばってこの日は終わりにした。
日が頭の上にある。
会堂の天井についている扇風機を回して、
マンゴー味のアイスキャンディーを3人で食べた。
Mさんは帰り、Yさんは持参したお弁当を食べてから帰るという。
それで、牧師館へ麦茶を取りに行って戻ると、Yさんがいない。
窓から外を探してみる。あらら。桑の木の下だ。
ガーデンチェアに座って、ノースリーブ姿でバゲットをかじっている。
わたしもYさんに付き合うことにする。

日差しは強いのに、桑の下だけは、風が抜けて心地よい。
「こういう夏の日は、終戦の日を思い出す」
とYさんが言う。
Yさんから戦争の話を聞くのは始めてだ。
疎開はせず、終戦までの半年だけ、風船爆弾を作る軍事工場のラインにいたという。
わたしは麦茶を飲みながら、Yさんの昔話に聞き入る。
たぶんこれも、草むしりの醍醐味のひとつなのだ。

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by Annes_Tea | 2009-07-19 19:23 | 日々の庭と花
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