下町すみだ      築70年の牧師館暮らし。犬と庭と日々の糧。              
by Annes_Tea
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宮 葉子 yoko miya
文筆家+牧師の奥さん

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続・教会カフェ

9月に入ってから、
「墨東まち見世」という100日間のアートイベントが始まった。
100日もの間、アーティストが地域に浸透しつつ、
制作過程を見せるという企画らしい。
土曜日の夕方、
キラキラ橘商店街の一角で行われた開会式をのぞきに行った。

この教会もかろうじて墨東に入っているので、
地域に根ざしたひとつの場として、空間を提供する予定である。
具体的にはまだこれから。
アートディレクターの方々と、
今週中には話をしましょうということになっている。
個人的には、子ども向けのプログラムを開きたい。
でも、カフェイベントがいいのかなぁ。
毎度おなじみのような気もするが、
教会とカフェは相性がよいのだ、きっと。
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商店街の空き店舗にアーティストが暮らして
コミュニティをつなぐという企画。
現在、滞在しているのは劇作家の岸井さん。
遊びに行くと、お茶でウエルカム! キラキラ名物のビッグかりんとうも。


母教会にいたころ、
「教会」は「病院」に近いイメージがあるよね、
と言われて、うん、確かにそうかもしれないと思っていた。
月曜日から土曜日まで社会の中でもみくちゃにされて、
日曜日にやっとの思いで教会にたどり着いては、
傷をいやして、魂のビタミンを補給する。
でも、自分が教会のバックヤードに関わるようになって、
病院? ううん,違うなぁ、と思い直した。
だいいち、日曜日ごとに病院へ通いたいと思う人がどれだけいるだろうか。
やっぱりカフェ、
ただ、理想としては、もっとダサイ感じがいいと思っている。
それは外見のことではなく、目に見えない部分での話だ。
自分の格好悪いところも見せられる場所。本当の意味で寛げる場所。
家庭のリビングだろう。
それも、大家族のお茶の間で、どんと構えたオカンがいるような場所。
いえ、別に牧師の奥さんがオカンということではなく、
たとえ、ですね。つまり。
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この夏行った倉敷教会には、本物のカフェがあった。
カフェというよりは、喫茶店という雰囲気で、
きめきめでないところが、オカンぽくてほっとする。
ロイヤルミルクティーをいただいている間、
夏の教会学校についての打ち合わせが漏れ聞こえてくるので、
つい耳をそばだててしまった。
議題は、紙コップ。
子どもたちに使い捨てのものを使わせるかどうか。
環境教育は大切だけど、
洗い物に時間をとられるよりも、
限られた時間を有効に使う方が大切なのでは、とか、
もしかして素材がケナフなら筋が通るかも、とか、云々。
聞いていると、いずこも同じなのね、と微笑んでしまった。
わたしたちの教会でも、
紙コップ問題が浮上してマイカップ持参となったが、
洗う人が自然と定まってしまい、それがストレスにもなったりする。
結局、マイカップ派は、今のところ4人だけだ。

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        登録有形文化財になっている倉敷教会の建物。


倉敷教会は100年もの歴史がある。
お茶を楽しんだ後、教会の女性が会堂を案内してくださった。
会堂に入って、あれ、と一瞬、デジャブを感じたのは、
会津若松で見た教会の内部とよく似ていたからだ。
西と東、場所は遠く離れていても、
それぞれに建築された時代を考えるとありえるか。
倉敷教会の設計は、お茶の水の文化学院を建築し、
自ら校長も務めた西村伊作。
ニシムライサク。聖書を読んでいればピンとくるだろう。
「イサク」という名前でわかるように、名付けた両親ともクリスチャンだ。

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クラシカルでモダン。御茶ノ水の文化学院に通じます。
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ぶどうのモチーフ。
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カフェの人にお願いをしたら、快くご案内くださいました。
観光地にある教会は、私たちのような見学者がいて大変かと思います。
そして、旅人への応対で、その教会の持つ文化がわかります。
 当然、断られることもありますが、そのことよりも、
どんな言葉を使うかが大切だと学ばされます。
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100年前の教会創設メンバーに、
倉敷の名士である大原孫三郎の名前を見つけた。
倉敷紡績、つまりクラボウの創設者だ。(いまやクラレ?)
倉敷に数日滞在しただけのよそ者であっても、
この孫三郎さんが、倉敷の町にどれだけ貢献し、
今なお愛されているのかを感じる場面に、何度も出会った。
器屋で店番をしていた大正生まれのおばあさんは、
孫三郎さんの素晴らしさについて、わたしたちに熱く熱く語ってくれた。
大原美術館を建て、世界中の一流の美術品を集めたことで、
戦中、倉敷は空襲を免れたという歴史がある。
「美観地区が今あるのも、みんな大原さんのおかげ」と言っていた。

わたしの暮らす鐘ケ淵のまちも、鐘ケ淵紡績、
つまりカネボウの城下町として栄えた時代があったはずなのに、
いまではカネボウは解体し、
そんな恩恵も人々の感謝も、まちにはみじんも残っていない。
「文化」だとか「まちへの貢献」というビジョンのあるなしで、
企業が結ぶ実はずいぶん違うものだ。

そして、孫三郎さんとともに、
倉敷を歩いているとよく目にする名前が、石井十次だ。
マツケン主演で、「石井のおとうさんありがとう」という映画が公開されて、
その業績が少しでも全国区で知られるようになったのは、うれしい。
石井十次は日本で最初の孤児院を開いた青年医師で、
真性の熱血クリスチャン。
大原孫三郎は、石井十次から精神的に多大な影響を受けたようだ。

残念ながら、教会創設に名前はあるものの、
孫三郎さんが信仰を最後まで持ち続けたかどうかは、
倉敷教会の人たちに聞いても、はっきりしなかった。
たまたま大原美術館で、彼の葬儀の映像を見たのだが、
教会で行われておらず、
戒名まで付けられていたところを見ると、違うだろうなぁ。
もし、石井十次がもう少し長生きしていれば、
何かが変わっていたのだろうか。

教会カフェの話が、
思わぬシリアスなところに行ってしまった。
終着点はどこかと言うと、
大原美術館の初期コレクション収集に尽力した画家の児島虎次郎だ。
虎次郎も、地元の人にとっては恩人になるようだ。
その虎次郎の妻は石井十次の娘である。
映画でその娘役を演じたのが、
10月に開くイベント「声なき者たちの声を聴く」で
朗読をしてくださる役者さんなのだ。
倉敷へ旅立つ前、その役者さんに、
映画のロケで行ったおすすめ場所を尋ねたところ、
大原美術館はもちろんのこと、
アイビースクエアと児島虎次郎美術館だと教えてくれた。
知らなかったら素通りしていたかもしれない。
うん、行けてよかった。

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倉敷紡績の工場をリノベーションしたアイビースクエア。
ここに泊まりました。
やはりレトロできめきめではないけれど、
余分なものは何もなく、清潔でホスピタリティがあってよかったですよ。
しかも大浴場。倉敷の旅にはおすすめします。


倉敷教会を設計した西村伊作の言葉を、文化学院のサイトで見つけたので紹介します。こんな校長先生だったら、心強いですよね。
引用はここから→http://bunka.gakuin.ac.jp/about/souritsu.html

「自分の娘、息子のように、みんなのために祈る。
 どうかこの人の一生がよいものとなるように、
 静かな心、自分を正しく、
 ゆがめられずに、真っ直ぐにいくようにと。
 途中で去った人にも、いまどこかで私のまいた種の芽がはえ、
 この学院が一生心に残るだろう。
 私は祈る、天の恵みが、みんなの上にあるように」
                創立者 西村伊作の言葉より



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by Annes_Tea | 2009-09-21 01:20 | お茶と料理、ときどきカフェ
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