下町すみだ      築70年の牧師館暮らし。犬と庭と日々の糧。              
by Annes_Tea
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宮 葉子 yoko miya
文筆家+牧師の奥さん

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何かちょっとしたもの


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↑新しくなった会堂を見るために、午後、若き牧師先生たちが3人で遊びに来てくれました。お茶受けに、すぐ近くの浪花家でたい焼きを調達。もちろんしっぽまであんこがぎゅうう。


e0165236_22302528.jpgブザーの音に出てみるとYさんだった。この前借りた1500円が気になるから返しに来たという。この寒いのに、わざわざ? 今年の借りは今年のうちに、ということらしい。

入ってお茶でもとすすめるのだが、恥ずかしがり屋の彼女は、なかなかうんと言ってくれない。でも、寒いところをわざわざ来てくれたんだからぁ、ともうひと押し。その時、夫がちょうどお茶の水から帰って来て、さらにもうひと押ししたら、じゃ、本当にお茶一杯だけ、と言って牧師館に上がってくれた。

お茶受けは、Yさんの手みやげの和三盆ということにして、ミルクティーを少し濃い目に入れる。キスチョコみたいにくるっとねじった和紙を開いて、小さな和三盆を口に入れる。それから紅茶を含むと、和三盆がほろほろっと溶けて、うまいぐあいに紅茶とほのかな甘みが口の中で混ざり合う。これ、いけるねぇ、とわたしたち。

Yさんは、「何かちょっとしたもの」を持ってきてくれる名人だ。80歳近いから量は必要ないので、質のよいおいしいものをちょっとずついただきたい、という人だ。日本橋高島屋に行くのが大好きらしく、ひとりずまいには多いからと言って、たとえば九条ねぎを2、3本だとか、京人参を一本(青々とした葉はごま油で炒めると美味しいわよ、とアドバイスつき)だとかを、お裾分けしてくれる。自作の大きな干物というのもあった。わたしが風邪をひいたときには、本物の吉野葛(いつも買い置きをして棚の奥にしまってあるらしい)を持ってきてくれたっけ。こんなふうに、わたしも気軽に「何かちょっとしたもの」を人に手渡してみたいと思うのだけれど、ついかしこまって考えてしまう性分なので、なかなか。

夫はこの町の生まれ育ちで、身内のほとんどが近所で暮らしている。わたしがこの町に移って来たとき、新しくわたしの姉や母になった人たちが、たとえば焼きたてのパンだとか、ちらしずしだとか、連日のように「何かちょっとしたもの」を持って来てくれた。いいなぁ、こういうの。慣れない下町暮らしを心配してくれる思いがわかってほろりとした。

いちばん驚いたのは、ある夏の日、玄関を開けると義理の兄のお嫁さんという人が、ソフトクリームを持って立っていたことだ。ヨウコさん、溶けちゃうから早く早く、と言って渡してくれた。わたしも真似してみたいけれど、きっと気取ってしまってうまくいかないだろうな。

Yさんはひとしきり話をして、ことば通りお茶を一杯のところで立ち上がった。ああ、さっぱりした。お茶をいただいてよかったわ、とかなんとか言って。わずか30分足らずのお茶会だったけど、わたしたち二人も同じようにさっぱりした気持ちになっていた。

来年は、どんな人たちと、どんなお茶をいただくのかな?



    なぜだか、昨日から「何かちょっとしたもの」をいただいています。
               その中身は?

        ・Yさんから和三盆
        ・クリスマス会のお礼と言ってN君ママから手作りクッキー
        ・アメリカ土産のワーシップの楽譜
         (アメージンググレースのアレンジがすてき!)
        ・義理の姉からアールグレイの紅茶
        ・若き牧師たち3人から黒まめおかき

     みなさん、ありがとう。こうして見てみると、お茶会できますね。


e0165236_22173245.jpge0165236_22174795.jpg←これはわたしの分のたい焼きです。足のはえた変な生き物? いえいえ、メルなんです。鳩の街にあるアート&カフェこぐまで使われているカップの作家さんに焼いていただいたものです。おやじ風のメル。

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↑本物のメルの目は、左右で色が違うので、最初のころは見つめられると不思議な気持ちがしました。
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by Annes_Tea | 2008-12-29 22:27 | お茶と料理、ときどきカフェ
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