下町すみだ      築70年の牧師館暮らし。犬と庭と日々の糧。              
by Annes_Tea
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宮 葉子 yoko miya
文筆家+牧師の奥さん

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再び、食べることについて


e0165236_2117578.jpg←置き場に困っていたたくさんのプラスチックケースは、ねぎになって戻ってきました。
ありがとう、kosuge1-16 ! 金沢、がんばってね。

Kさんが教会の近くのグループホームに入所したと聞いて、訪ねてみることにした。Kさんは教会の人ではないが、同じクリスチャンとして何度か話をしたことがある。

昼下がり、この辺りにしては人出が多い。梅が見ごろを迎えたのだ。向島百花園へわらわらと歩いて行く女性三人連れの後をついて右へ曲がると、すぐにあった。建物は新しくて清潔だ。窓には「ボランティア募集」の貼り紙。わたしたちは無言のまま、エレベーターで上がる。

扉が開くと、もうそこが部屋だった。訪問者はまず、紙コップでうがいをし、石けんで手をよく洗ってから、目当ての人と話ができる。連れ立って来た教会の人たちと順番に、がらがらぺっ、と済ませる。

個室から出て来たKさんは、昨年見かけたときよりも元気そうだ。
「じつはね、栄養失調だったのよ」
ええっ? わたしたちはびっくりする。
一人の食事が多いKさんは、お腹も空かないので、玉子かけごはんとお味噌汁ですませることが多かったという。

ああ、とわたしは思う。そうなのだ。とくに単身の高齢者の場合は、作って食べて自分を生かしていくということが、面倒になってしまうのだ。わたしでさえ、もしも家族がいなければ、仕事にかまけて堕落した食卓になるだろうなぁ、と思うくらいだもの。

Kさんの例は珍しくない。
以前、単身の高齢女性を訪ねた時、鍋の中にある山盛りのトウモロコシを不思議に思って尋ねたことがある。料理もめんどう、食べるのもめんどう。だから、ゆでたトウモロコシで一日をすませてしまうことがあるのだと教えてくれた。おやおや、大丈夫かしら。彼女が何ごとにもおそろしく悲観的なのは、栄養不足のせいではないのかなぁ。うまいぐあいに、この時彼女が通っていた教会は、大きくて人材も設備も整っており、専属の台所奉仕者が何人もいたので、教会の食卓に加えてもらうことができた。そこでは、教会で暮らしている人をはじめ、毎日三食、色々な人が食べる時間を共有することになっていた。結婚する前、わたしもときどき、その食卓にお世話になったくちである。

e0165236_1746176.jpg

ヘルパーの女性が、飲み物を運んできてくれる。細長いキャスター付きの机が、すいすい床の上をすべって部屋に入ってくる。便利そうだ。教会でもこういうのを使うと楽かもしれない、と思う。
インスタントコーヒーには、砂糖もミルクも最初から全部入っている。いただきます。わたしたちが口をつけると、Kさんが言う。
「みんなで作って食べるの。だから楽しくてね」
ここでは、食事の買い出しから調理まで、入所者が協力し合って行なっているそうだ。

加湿器だとか、夜に光って時間が見える置き時計だとか、Kさんはひとしきり部屋の備品を見せてくれる。そうして、ふと思いついたように、
「ぜひ賛美歌を歌ってください」と言う。
ええ、ぜひそうしましょう。で、いちばん好きな曲は? 
「きよしこの夜」。
え、2月にクリスマス?  
「十代で勤めたでしょう。職場から自転車で帰る夜道が怖くて怖くてねぇ。「星は光り・・・」って歌詞を口ずさむと、勇気がわいてきて、励まされてね」

なるほど。では、クリスマスでいきましょう。
みんなで「きよしこの夜」を歌った。一番だけ、心を込めて歌った。
歌い終わると、Kさんは眼鏡の奥の目を細めて微笑んだ。
「来月の誕生日に、自分でケーキを作るの。ここの人たちにごちそうするの。先生たちもぜひ来てくださいね」と、誘ってくれる。
それならば、花を贈ろうかな。
好きな花は?
「シクラメン」
3月にシクラメンかぁ。

帰り際、Kさんは何度も念を押した。
「誕生日には、ぜひ来てくださいね」

3月には、Yさんとも80歳目前のお誕生日を一緒に祝うことになっている。わたしも3月生まれなのだ。シクラメンはともかく、イースターの前に、二人に贈るカードを用意しないと。

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by Annes_Tea | 2009-03-01 21:23 | お茶と料理、ときどきカフェ
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