下町すみだ      築70年の牧師館暮らし。犬と庭と日々の糧。              
by Annes_Tea
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宮 葉子 yoko miya
文筆家+牧師の奥さん

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カテゴリ:向島こひつじ書房の本棚( 17 )
被災地に送る本を選ぶ
                          雨の日は退屈。
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まるで検閲のようなのだが、
被災地に送る本の中には、
どうだろうと思うものもあるので、
そういう時にはざっと目を通すようにしている。

たとえば、ダレンシャンのシリーズ。
友だちの命を救うためにヴァンバイアになってしまった主人公の奇妙な人生を描き、
小中学生に今も根強い人気がある。
ダレンシャンの悩み苦しみというのは、
子どもたちが共感するだろうとは思う。
それでも、人の血を吸う生き物の話だもの。
グロテスクな仕掛けがたくさんあって、
結局は、そのことばかりが印象に残る。
なんだかマンガの『犬夜叉』みたいだ。
よくできた物語なのはわかる。でも、でも。ううむ。
さんざん悩んだ末、
何も今、被災地に送らなくてもと判断した。

友だちの身代わりの話ならば、
『あらしのよるに』がいいかな。私の本棚から送り出そう。
本でも映画でも「身代わりの死」というモチーフは
昔から人の心にうったえてきた。
聖書を読んでみて、
なあんだ、すべての原点はここなのね、
と納得した覚えがある。

絵本はロングセラーを送って下さる方が多く、
懐かしい再会に感激したり、
読み継がれているわけに納得したり。
たった二箱を用意するだけなのだが、
こんな調子だから作業はゆっくりだ。

今回は、那須の拠点に送り、
そこから那須町や福島の避難所を中心に届けられると聞いている。
「子どもたちに笑顔を」というのが働きの合い言葉らしい。

避難所暮らしの大人たちからリクエストが多いはの
推理小説だと聞いている。
こちらは別の方のお役目だろうと
私は手を出さないでいる。

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こちらが小学生高学年から中学生向けの読み物の一部。ついつい読んでほしくて、『太陽の子』なぞを選んでしまいます。これを読まずして大人になるなんてモッタイナイ。ギター教室の中学生たちに愛読書を聞くと、スニーカー文庫だそうです。まあ、なんといっても『けいおん』には負けるそうですが。「翼を下さい」を練習してますよ。リズムが早くてびっくり。


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by Annes_Tea | 2011-06-16 23:51 | 向島こひつじ書房の本棚
読書会の本を選ぶ
隣家との垣根の代わりに植えたシルバープリペット。こんなに白い花をつけるとは知りませんでした。まるでユキヤナギのようです。ひと雨ごとに茶色く変色していくので、この後、どのように剪定すればよいのかあんじているところです。新しい植物と暮らすには、とりあえず四季を一巡してみなければ気心が知れませんね。人間と同じです。
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久しぶりに高校生を教えてみて、はたと気付いた。
そうだ、国語には古文があるんだ。
古文を読むのはなんとかなる。
でも、文法はすっかり記憶のかなた。
未然、連用、終止、連体、已然、命令、というあれ。
ええと、已然形って何だっけ?

というわけで、
今日は少し古文の勉強をしてみた。
差し当たって必要に迫られているのは更級日記だ。
大学時代に、更級日記のクラスを受講して、
これがとにかく面白かった。
面白かったのに、かんじんの講義内容をあまり覚えていない。
勉強というのは何だろう、
とつくづく思う。

でも、面白いという記憶があるから、
こうして今ごろテキストを開いてみても面白がって読めるのかもしれない。

平安女流日記文学、というジャンルをあれこれ思い出してみて、
これは今でいう「ブログ」に近いかも、と思う。
ただ、今とまるで違うのは、
書いたからといって、すぐに発表手段があるわけではないというところかな。
昔の人は、書くことにもっともっと憧れと敬意があったに違いない。
今は、ふとひと休みしながらこうして書ける。
なんとまあ、便利なこと。
それだけ「吟味する」という作業が甘いなあ、と少々反省。

長年、思いを温めてきた読書会が、
いよいよ7月に始まる。
「大人が読む子どもの本の読書会」という内容。
このタイトル、あまりに長いので、なんとかしないと。

先日、最初の本を決めるのに、
いっしょに活動をするこすみ図書さんとごはんを食べつつ相談をした。
岩波少年少女文庫のリストを見ていたら、
記憶が記憶を呼び覚まして、話が止まらなくなった。
私とこすみさんは世代がまったく違うのに、
不思議とあがってくるタイトルが同じ。
これはロングセラーの力かな?

ただし、私の言う岩波少年少女文庫は、
つるつるした表紙のない、まるでペーパーバックのようなザラ紙タイプ。
こすみさんは、つるつるした講談社の青い鳥文庫。
わたしは本のつるつるしたカバーが好きではなくて、
絵本などもすぐにとってしまうのは、
あのザラ紙世代だからかな。

記念すぺき第一回目はムーミンシリーズとなった。
最後まで迷ったのは「モモ」。
初回で「モモ」は重いような気がして、
いずれ、そのうちに。

ムーミンは島が舞台のためか、
洪水の話がよく出てくる。
洪水をどうやって仲間と乗り越えていくか。
新たな発見がありそうだ。

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満開のプリペットの花はこんな感じです。ビオラが終わったら、白花のランタナにしようかと思っています。

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by Annes_Tea | 2011-06-03 22:15 | 向島こひつじ書房の本棚
被災地へ、一箱の思いをつなぐ
お休み中に、隅田川沿いの汐入公園までメルと散歩。これはきのこ? ワインのコルク? 
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じつは中に入れるのです。トイプードルを連れた人が入っていましたが、ボーダーはいいんでしょうか? 隅田川には、こういうアートが増えつつあります。これは川俣正さんの汐入タワー。
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休日を外して動くのが常なので、
毎年、ゴールデンウイークにはあまり遠出はしない。
それでも、今年は気持ちがいつもと違う。
当然と言えば当然だろうけれど。

昨年は何をしていのだったけ?
こういうときに、ブログは便利だ。
やっぱり、近場をうろうろ。
夫のハーレーに初乗りさせてもらっていた。
(と言ってももちろん後ろ)

大島、仙台とハーレー好きの牧師を渡り歩き、
ここ墨田にやってきたハーレーは、
結局、この下町が最後の場所となった。
修理をして乗るという醍醐味は、
妻にはどうにも理解できないことなのだが、
夫の楽しみにやいやい言うのは野暮というのだけは心得ている。
ついにバイク屋に引き取られ、
それでも足が必要だと、
今度は壊れていないハーレーがやってきた。
中古らしいのだが、私が見ても美しい。
近所のバイク好きな人が通りかかっては立ち話。
聖会に行っては、バイク好きの若者から声をかけられ。
とまあ、ハーレーはフェイスブックよりも友達が増えるツールのようだ。

お休みは、あれこれと友だちと会う機会となった。
お風呂の修理のついでに、
場所ふさぎとなっていた物を持っていっていただき、
少しばかり広く集いやすくなった牧師館で、
久しぶりのホームパーティ。
食べたいものをみなで勝手に作って食べてしゃべって、
という集まりは、ほんと、楽しい。
みんなが帰った後、「愉快、愉快」と夫がつぶやいていた。
大笑い、バカ話盛りだくさん、
でも、最後には祈って終われるところがよいな、と思う。

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サウンドアーティストの友だちが作ってくれたインドのにんじんデザート。心なしかリズミカル?


祈りと言えば、
子どもの日には、震災支援でつながりを持った教会に行き、
震災復興のための祈りと賛美の集いに参加した。
プログラムはなく、
導かれるままに祈りと賛美を4時間。
ほんと、4時間。
でも、ぜーんぜん疲れなくて、楽しい楽しい。
福島の震災復興の拠点となっている教会から、
若い先生たちがたくさん駆けつけて、
現地のリアルな話をしてくださった。
その後、イタリアンレストランでしょ、
というような教会のカフェテリアで食事とおしゃべり。
そして、昨年建ったというすばらしい会堂を案内していただいた。
東京で体育館のある教会を初めて見た。
母子室が琉球畳! よいなあ、好きなんだ、あれ。
アメリカのデモインにある私たちの仲間の教会を思い出した。
教会の体育館でウエルカムパーティをしていただいたのだっけ。

震災以来、
出会う人とすぐに打ち解けることが増えている。
あるいは本音。
いや、いつもわたしはことばがストレートすぎて、
もっと口を抑えなければ、というのが課題なんだけど、
今はこうもっといい意味で、本音と本音。

あるいは、最近、夫についていくと、
クリスチャンの同窓会のような場面に出くわす。
クリスチャンの長い夫なので、
知り合いとの歴史も長い。
わたしはそこに後から加えてもらったわけだけど、
そこでも独特な親しさで会話が深まるのは
以前にはなかったことのように思う。
今日も三郷のコストコで、
夫の古い古い友人に出くわしてびっくり。
わたしたちは日曜日の教会創立記念のお祝いの食糧を
買い出しに行ったのだった。

前にも書いたが、
会う人、会う人、被災地支援に行っているので、
行っていないことに罪責感を覚えつつあることに気付いた。
いや、そうではない、とわかっているのに。
祈り会の中で、
やはり同じような思いをクリスチャンたちが持っていることを知り、
必要のない罪責感を下ろすことができた。

今ここで、やるべきことをやる。
行くべき時には行くのだろうし。

ホームパーティに来てくれた友人が、
1週間ほど前、スタッフであるNGOの働きで被災地を訪問した。
わたしは近所のお母さんから、
被災地支援のために子ども服を預かっていたので、
彼女に託すことにした。
無事、子ども服の詰まった一箱は、
仙台の必要な場所に送り届けられた。
教会からどこかに送っていただけませんか?
と、ときどき近所の人に聞かれる。
教会を思い出してくれて、うれしいな、と思う。


一箱、一箱、と現地に送り届けてもらう。
小さな教会のわたしにできることはこんなこと。
それでも、
一箱に詰まった誰かの思いを、
確実に必要なところへ届けられる現場にいることに、
感謝だなあ、としみじみ。


文中に出てくる被災地支援訪問(福島、宮城)の様子はここで読めます。パイオリニストの清水節子さんは、墨田の震災支援の祈り会においで下さった方です。そこで出会った二人が、今回の働きへとつながりました。また、同じくそこで出会った牧師の奥さまが、素晴らしいお菓子を焼いてくださり、友だちたちが被災地に持って行ってくれました。つながる!
http://watoto.jp/wp/news/2011/05/03/fukushimaapril2011/
http://watoto.jp/wp/news/2011/05/03/miyagiapr0/"

こんな働きにもひょんなことから加わってます。
拠点は谷根千。なかなか都合が合わず行けていませんが。
本に関わるお仕事の方たちが中心なので、機動力あります。すごいです。
「一箱本送り隊」
http://honokuri.exblog.jp/


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by Annes_Tea | 2011-05-07 00:07 | 向島こひつじ書房の本棚
人生を再建しようとするときに読みたい本は
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イースターリリーを片付けた。

満開になるまで、結局、6日もかかった。
毎年、満開のいちばんよい姿を見られるのは、
片付け隊である私だけなのが残念。

イースターリリーの香りは控え目だ。
可憐、清楚、ということばが確かに似合う。
オリエンタルリリーの香りは濃密で、
ときには息苦しくなることさえある。
でも、あのむせ返るような香りに包まれると、
いかにも特別な日というハレの雰囲気になる。
大きくあでやかな花と存在感のある香りは
いかにもユリらしくて、わかりやすい。
だから、本家のイースターリリーよりも
人気なのは、なるほど、と思う。
テッポウユリの名前を持つイースターリリーは
花の開きぐあいがテッボウのごとく狭くて横を向いているために、
花粉をとる際には相当注意が必要だし。

さて、来年はどちらにしようかな?

白いユリを生けたり片付けたりする度に、
夏目漱石の『それから』を思い出す。
と言っても、
森田芳光監督の映画の方を。
漱石読みとしては、
代助が松田優作かあ、と驚いたし、
あの映画はちょっとと思うものの、
ユリの場面だけは忘れがたい。

「高等遊民」なんてことばに憧れたっけ。
映画はともかく、
今、この揺れる日本で、
漱石なんかを再読してみると気付くことが多いかもしれない。
(と思って、漱石の文庫本を本棚のいい場所に移動だけしてみた)

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被災地に本を送る働きに少しだけ関わっていて、
現地で望まれているのはどんな本だろうとよく考える。
被災した経験はないけれど、
一日で積み重ねてきたものを失うという意味では、
犯罪被害に遭うということは、
ある種、人生の震災のような出来事だった。
私はそこから立ち直ろうとする過程の中で、
夏目漱石やら佐藤春夫やら宮沢賢治やら、
学生時代にお世話になった作家たちを読みふけった時期がある。
たぶんあれは、
「学生時代」という安全な場所に
逃げ込みたかったのではないかな。

でも、それも時間がかなり経ってからで、
事件から1年くらいの間は、子どもの本しかほとんど読めなかった。
最初に開いたのは『アンの愛情』だったはずだ。
『赤毛のアン』ではなく第三巻のロマンスものを選んだのは、
やわらかく甘い夢物語が必要だったのだ。
現実の厳しさとやるせなさをどうしてよいかわからなくて。
『続・足ながおじさん』なんかも読んだ。
私は『足ながおじさん』ではなく、
子どものころから『続』の方が好き。
あとがきで、作家が短命だったことなんかを熟読して、
自分を慰めようともした。

水に撒かれたパン、をつかむ思いだった。

でも、今、その悩んで悩んでの日々を通して、
さまざまな本のことばとはまるで次元の違う、
聖書という確かなことばに出会えたのだとわかる。

生きたことばは、しぼんだ心を蘇らせる。
これはほんとうだな、と思う。
水にパンを撒いてくれた一人一人に感謝している。

6月ごろから、
子どもの本を大人たちで読む読書会を開く予定だ。
場所は向島の『こすみ図書』とこの牧師館。
最初の本は何にしよう?

福音館の『完訳ハイジ』か、
講談社から新しく出た文庫の『ムーミン』シリーズも気になる。

懐かしい友に早くまた会いたい。楽しみ。

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by Annes_Tea | 2011-05-04 00:10 | 向島こひつじ書房の本棚
絵本と自転車で震災復興支援
向島自転車部発・震災復興支援自転車の第一陣は、東北応援団LOVE EASTを通して、気仙沼パプテスト教会に行きました。運んで下さったのは田島建設さん。素晴らしい会社です。
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支援を長続きしていくには、得意分野を生かしていくのがいちばん無理がないと思います。私は絵本、夫は自転車で。向島自転車部のみんなは欲がなくて、その上パッションの人たちで、ほんと素敵です。
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ゴールデンウイークの初日、
自転車で錦糸町まで行った。
約束に遅れそうだったので、
自転車部の底力を発揮してくねくね道にもめげず、
飛ばす、飛ばす。
が、突然、人の多さに一歩も前に進めなくなった。
これはいったい何?
見上げて気付く。
東京スカイツリーなのね。
東北の観光地も、
これくらい人出があるとよいなと思う。
結局、約束に20分も遅刻したのでした。すんません。

3週間ぶりの錦糸町はふだん通りの雰囲気で、
そのあまりの普通さに少しくらくらする。
阪神大震災のとき、
神戸から大阪に行ったときの気持ちを思い出した。
大阪のまちはふだん通りの活気で、
そのあまりの普通さに、
気持ちがついていけずにやっぱりくらくらした。

どのまちに今、自分がいるのか、
あるいは、いるべきなのか。
日々、選択を迫られるな、と思う。

震災以来、会う人、会う人、
少なくとも二人に一人は被災地に行っている。
現地の支援の様子を日々リアルに聞く機会にも恵まれている。
東京に暮らしている人間だったら、
それが標準かな、
という感覚でいたのだけれど、
どうかな? 
と思ったのは、
全然違う集まりに行ったときのこと。
ヒサイチ? くらいに遠い出来事になっていて驚いた。

1年間の仕事を終えて、
東京から関西へ帰る友だちがいる。
この休みに、サヨナラ食事会をすることになった。
と言っても、気のおけない4、5人の集まりのつもり。
あてにしていた友だちが来られなくなり、
会いたい顔を思いめぐらした。
あの人とあの人。
久しぶりにメールをしてみると、
ひとりは石巻へ震災支援の演奏に行くと言う。
もうひとりも、
今日から5日までみっちり福島へボランティア。
二人ともそろって、
残念、また機会を作ろうね、
との返事。

どんな価値観の人たちといっしょにいるか。
これも心して選んでいかないと、と思う今、
みなそれぞれにパッションのある友が多くて、
ほんと、シアワセ。



気仙沼で瓦礫撤去作業をして来られた方から、報告の写真が届きました。浜は魚の腐った臭いと油の臭いが入り交じり、息もできないような状態だったそうです。
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石巻に演奏に行く友人はサックスプレーヤーのSteveさんです。いわきの避難所で演奏した様子を少し見られます。


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by Annes_Tea | 2011-04-29 22:49 | 向島こひつじ書房の本棚
本が人と人をつないだ3日間
ふるほん日和、終わりました。

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教会のイベントでは、
セットアップと片付けに明け暮れる身の上ですが、
今回は、お手伝いとしての身軽さゆえ、
楽しい、楽しい、と言っている間に終わっていました。

本を売ったり、値段をつけたり、おしゃべりしたりの3日間は
まるで学生時代の文化祭さながら。
昔から、本を媒介として人とつながることが好きなんです。
出版社に勤めていたころを懐かしく思い出しました。

教会でも図書係ですが、
今年は一箱絵本コーナーを作るぞ、と息巻いています。
売り子の合間に棚から絵本を見つけては、
けっこうな大人買いをしてしまいました。

神戸のひつじ書房にあるようなロングセラーの一箱を作ろうと思っています。

たくさんの出会いにありがとう!

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いつも自分たちのイベントでは、
写真を撮るひまがなくて後から残念に思うことが多いので、
今回は撮影隊をさせてもらいました。

参加した方もしていない方も、
ひととき、ふるほん日和気分を味わってくだされば。




素敵な絵本がたくさん集まりました。寄贈本には一人一人がメッセージカードを添えて下さいました。
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全国のフリーペーパーを展示して下さったのはあまやんさん。
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東京スカイツリーの刺繍入りブックカバーは甘夏書店さん。よく売れました。
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押上のヒーロー「アキラマン」も登場。太っ腹に募金をして下さいました。さすがヒーロー!
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2日目は鳩の街商店街にクラフト+古本市が立ち並んでにぎわいを増しました。よく晴れてバンザイ。
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こんなものとか、
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こんなものも売ってました。店主としばし、アルマイト談義。
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お買い上げいただいた本はここに。新聞紙を再利用したエコバック。作り方を知りたくて一部いただいてきました。夫に研究してもらう予定ですが。
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売り上げは赤十字を通して、被災地支援に充てられます。
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by Annes_Tea | 2011-04-04 22:46 | 向島こひつじ書房の本棚
子どもの本専門店「ひつじ書房」

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本物の「ひつじ書房」は神戸にある。
子ども時代、本との幸せな出会いの多くは、この場所で与えられた。村岡花子訳『赤毛のアン』シリーズを買い揃えたのもここである。
小さな店内は、棚の上から下まで子どもの本で埋め尽くされている。当時は上にいくほど高学年向けの本で、一冊ずつ背表紙を眺めては、早く読んでみたくてどきどきした。ついにケース入りの『アンネの日記』を手に入れたときの誇らしさといったら。真っ白な布張りの表紙に金文字でタイトルが書かれただけの装丁は、それまでのどの本よりもシンプルで、大人びて見えた。


ここ何年か、年に一度は神戸に行くことが続いた。「ひつじ」はJR摂津本山駅のホーム沿いにあるので、三宮に向かう車窓からも見える。
あ、あるある、と毎年確認だけはしているのに、ほんの少しだけ、心配な気持ちがいつもある。店主には失礼ながら、まだあるかしら、などと思ってしまうのだ。
ある時には、どれだったか「ひつじ書房」の看板のひと文字が欠けていた。翌年には、ちゃんと新しくつけ変わっていてほっとした。
大丈夫、「ひつじ」は元気、健在だ。


2年ほど前、尼崎にいる甥っ子に本を贈りたくて、実際に店まで足を運ぶことにした。行けるうちにもう一度「ひつじ」に行っておこうという気持ちもあった。二人いた客が帰り、女主人とわたしだけになると、本選びを助けてもらいたくて話しかけてみた。なんとはなしに話は子どもの本談義になったので、自分が子ども時代の常連だったことを明かした。
「そのころはわたしも若かったのでしょうね」
と白髪の混じる女主人は言った。子どものわたしは本ばかり見ていたせいか、店の奥のレジにどんな人が座っていたのか、まったく覚えていない。でも、きっと、この女性からわたしは何度も本を買ったのだろう。


どうしても聞きたかったのは、店名の由来である。
というのも、聖書を読む者にとって、「羊」というのはなじみが深く、日々、目にする文字だからだ。たとえば、子羊と言えば主イエス・キリストを指す言葉だし、わたしたちは羊にたとえられる。教会付属の幼稚園などによく「ひつじ」の文字がついているのもそのせいだ。
聖書だけはなく、飼い犬がボーダー・コリーというところにも、自分と羊とのつながり感じてしまう。ボーダーは本来羊飼いの働きをするワーキング・ドッグである。河川敷で鳩の群れを一羽たりとも逃さず追いつめていく様子を見ると、一度くらい本物の羊を追わせたいなぁ、と思ってしまう。
とにかく、「ひつじ書房」の「ひつじ」にはどんな意味があるのか、羊好きとしてはどうしても気になるところだ。


「子どもの本屋なので、子どもたちに親しまれている動物の名前をつけようと思った」のがきっかけなのだという。候補の動物を詳しく調べていくうちに、昔から羊という言葉には深い意味があることがわかったのだという。
羊は羊飼いがいないとうまく育たない。時には谷底に落ちてしまうようなこともある。そのあたりを、よきガイド者としての子どもの本屋の役割と重ね合わせて、いちばんしっくりくる動物だったのが羊だったそうだ。
「うさぎ書房」や「りす書房」ではなくて本当によかった。


新しいお客さんが入ってきたので、話もそこそこに終わってしまったが、「ひつじ」のなぞを解明できたので大満足だった。甥っ子へは、フクロウにまつわる冒険を描いた父と息子の物語を包んでもらった。レジのわきにあるコピーの束に目をとめると、
「わたしが長年、本について考えてきたことはここで全部言ってくれています」
と言うので、思わず買ってしまった。児童文学翻訳家の脇明子さんが「子どもの読書を考えなおそう」という趣旨で連載されていたものだった。
「ここにも大切なことが書かれていますよ」
と言って手渡してくれたのは、岩波書店の「図書」、特集は石井桃子さんだった。まだ石井さんが亡くなる前だった。


店主と言葉を交わした時間は、ほんのわずかだったけれど、石井桃子さんを通しても、わたしは「ひつじ」からのメッセージをこれまでもたくさん受け取ってきたのかもしれない。クマのプーさんもノンちゃんも、やっぱりみんなここで出会ったのだから。
自分だけの本棚を心の中に持っていると、それは思いがけない時に支えになってくれる。心の本棚のいちばん下に並んでいるのが、わたしの場合は「ひつじ」で買った本のように思う。

時代が変わっても、子どもたちが「ひつじ」で素敵な出会いを続けられるといいな。
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by Annes_Tea | 2008-11-25 19:57 | 向島こひつじ書房の本棚


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