下町すみだ      築70年の牧師館暮らし。犬と庭と日々の糧。              
by Annes_Tea
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宮 葉子 yoko miya
文筆家+牧師の奥さん

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もう一度、アン
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子どものころ、愛読書を聞かれると迷わず『赤毛のアン』と答えていた。
アンの世界に足を踏み入れたのは小学4年生だった。ラベンダーカラーのシリーズ本を、子供の本専門書店「ひつじ書房」で一冊ずつ買い揃えてもらった。
ひとり暮らしを始めるときも、この10巻だけは持って実家を出た。転居のたびにいつでも取り出しやすい場所に置く、いわばわたしの相棒である。遊びに来た人がアンシリーズを見て、こういうの好きなんだ、と意外そうに言われることもよくある。


アン好きの多くの人たちと同じく、わたしも村岡花子さんの訳にこだわる一人である。それまで読んできた児童文学とは、どこか文体の雰囲気が違っていた。実際には少し難しくて、意味のよくわからない言葉も多かった。それでも、「婦人外国伝道後援会」も「客用寝室」も「歓喜の白路」も、きらきらとした異国の言葉のように心に響いた。「○○だわ」というアンの言い回しは、いまもわたしの中に根づいている。
当時、手紙を書くのに夢中になっていたので、アンの得意な「熱烈」だとか「想像の余地」だとかいう言葉を使い、ときには何行かを引用して、大人たちを感心させては得意がっていた。


大人になってから、松本侑子さんの注釈付きの訳本を読んだ。
その中でアンの物語には、シェイクスピアなど文学からの引用が多く含まれていることを知った。中でも聖書からの引用が多いのは、モンゴメリーがクリスチャンの祖母に育てられ、自身も聖書に親しんだことと関係があるのだろう。
あ、つながった、と思ったのは、わたしもそのころ聖書を読み始めたばかりだったからだ。わたしが憧れて引用までしてきた文章は、もしかすると聖書のことばだったのかしれない。


これまで生きてきた中でぼんやりとしていた事柄が、何かでつながっていくのを見るのは楽しい。新しい意味、新しい物語がそこから始まっていくからだ。
アンが再び身近になったのは、何度も言うように、モンゴメリーと同じように牧師夫人になると決まったからだ。
それに加えて、今年はもうひとつつながったことがある。それは村岡花子さんの生涯を明かした『アンのゆりかご』という本に出会ったおかげだ。この本は、村岡さんのお孫さんである村岡理恵さんの筆による。
じつは、村岡花子さんは何かの講演会のおり、わたしの母の実家に一泊だけ滞在してくださったことがあると聞いていたので、一方的により親しい気持ちを抱いていた。
その彼女もクリスチャンであること、そして、アンを翻訳する仕事を、カナダ人宣教師から託された戦時下でのミッションとしてとらえていたことをこの本を通して初めて知った。


教会にはアン好きが多い。アンと同じように、教会が町の中心となって人々をつないでいく物語に、ローラ・インガルスの『大草原の小さな家』がある。
どちらかといえば、テレビの実写で何度も再放送されてきた大草原の方が、印象が強いようで、教会の人たちにはより人気がある。
先日、テレビシリーズをもう一度DVDで見直したという60代の男性が、嬉しそうに教えてくれた。たまたま見た回が、教会建築にまつわる話だったのだという。その人は、学生時代にアンも読んでいて、「道の曲がり角」の話で二人で盛り上がってしまった。出版社で働いていた時、アンだけはよくわからない、という男性編集者の声をよく聞いていたので、アン好きの男性が身近にいたことに嬉しくなった。


アンを読んだことある?
日ごろ接している小学生たちに聞いてみるのだが、100人いて1人がいいところだ。
ほとんどが知らないか、お母さんから聞いたことがあるような気がする、という答えがいいところ。時代がどんなに変わっても、できれば小学生の間に読む機会があれば幸せだと思っている。とくに4、5年生。いつもそれこそこの学年には「熱烈」にすすめる。
今年はそれで5人のファンを生み出すことができた。
子どもたちにも読み継がれていってほしいが、大人になった女性たちにも、もう一度アンを、とすすめてみようかなとも思っている。
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# by Annes_Tea | 2008-11-24 22:02 | 赤毛のアン
牧師館とは?

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「牧師館」なとど言えば、たいそうな建物のように聞こえるが、実際にわたしたちが暮らしているのは、年期の入った木造モルタル家屋である。
この建物は、戦後の物のない時代、民家の廃材をリサイクルした物件なので、会堂よりもさらに年上だ。もしかすると80歳以上?
わたしが入居する前、床のリフォームの見積もりをしてもらう際、「一刻も早く建て替えることをおすすめします」と工務店の社長から真顔で言われた。


その社長を仰天させたのは、2階のベランダに後から建てられた鉄骨の建物だった。
鉄骨の重みが、古い木造家屋を上からたえず押しつぶしている状態だという。なんでまた、木造の上に鉄骨でできたものを建てたのだろう。当時を知っている人は教会に一人もいないので、このなぞは今もって不明である。
さすがに、すぐさま撤去することになった。


撤去して出現したのは、広いベランダだった。でも、木造家屋の耐久性を考えると、置けるのは物干し台がせいぜいらしい。
場所はあるのに使えないのは残念だが、洗濯物を干すときには広々としてストレスがないのはうれしい。屋根伝いにやって来る猫にも人気のスポットだ。昼下がり、ベランダの窓をざっと開けると、猫が四方八方に散っていく。


牧師館というのは、いわば社宅のようなものである。
牧師と結婚したので、教会に併設された牧師館に住むことになったわけなのだが、これはいわばオールドスタイルだ。最近では、教会とすまいは別々の場所という牧師家庭も増えているし、新会堂建築の際には工夫が凝らされて、牧師も公私のけじめがつけやすくなっているところも多い。


ただし、私たちのように小さな教会の場合は、会堂の管理も兼ねた牧師館暮らしだから、別々にしてはかえって面倒ではある。
一応、納得して暮らし始めたのだが、サラリーマン家庭で育ったわたしが、職住隣接の暮らしに慣れるまでにはずいぶん時間がかかった。

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赤毛のアンの作者・モンゴメリーも、牧師夫人としていくつかの牧師館で暮らしたようである。アンシリーズの多くは、カナダのオリンタリオ州リークスデールの牧師館で執筆されている。
英語で牧師館をmanseという。ローマ帝国時代、国教でもあったカトリックの聖職者が、教区に持っていた大きな不動産を意味していた。英語のmanseであるモンゴメリーの暮らした邸宅と、わたしが暮らしている現・牧師館とは、似ても似つかないものに違いない。それでも、同じ「牧師館」に暮らした女性として、不思議と同労の思いを抱いてしまう。


何かで読んだエピソードに、彼女は牧師館の調度や庭作りはに並々ならぬ情熱注いだとあった。いわば社宅、しかも、たえず誰が来るかわからないような半分パブリックな場所を、どうやったら自分のホームにできるのか。このあたりの彼女の気持ちはわかるような気がする。
モンゴメリーは晩年、念願のマイホームを手に入れて、「旅路の果て荘」という名までつけている。牧師である夫が、途中、学生時代に悩まされたうつを再発したために、作家人生以外ではかなり苦労したようなので、最後のマイホームにはずいぶん慰められたのかな、とこれまた勝手な想像だけど。


今、将来のすまいの展望を問われても何もない。でもきっと、気に入った雰囲気のところに暮らしているはずだという妙な確信だけはある。
あまりにも楽天的? でも、わたしの周りにはグットサンプルの牧師夫人がたくさんいるので、そのおかげだろう。マザー・テレサのごとく、神にも隣人にも仕えてきた先輩牧師夫人たちを見ると、わたしの知るかぎりではみな幸せな晩年を送っている。
お金はなくとも、なんとかなるさ。こんな発想は、牧師館で暮らすまで、わたしにはないものだった。
成長したのか、のんきになったのか?
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# by Annes_Tea | 2008-11-24 21:59 | 牧師館で暮らす
牧師館のお茶会って?
                 Have a tea?
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『赤毛のアン』に「アンお茶にまねかれる」という章があります。
アンが人生で初めてお茶会に招かれた時のお話です。
新しく教会に赴任したアラン牧師夫人の発案で、日曜学校の生徒を牧師館のお茶にかわるがわる招くことになり、ついにアンのもとにも『グリンゲイブルスのミス=アン=シャーリーへ』と書かれた招待状が届きます。


牧師との結婚が決まったときに思い出したのがこの話でした。
ミセス・アランは幸せいっぱいの新婚さん。お茶会では、うすいピンクのオーガンディーの美しい服でアンを迎えてくれます。オーガンディーという言葉に特別な響きを感じて子ども心にうっとりしたことを覚えています。これから始まる暮らしも、少しはミセス・アラン風にいきたいものだなどと、結婚前の浮かれ気分で想像したものです。


ところが現実は、まるでスイートとはいきませんでした。
牧師館はあまりにも荒れ果てており、女性が暮らすには手を入れる必要がありました。まずはあかずの間をわけ入り、不要物を処分することから始まりました。リフォームで出る廃材とあわせて、その量なんと2トントラック7台分 ! 新婚時代の幕開けは掃除に明け暮れて、ティーポットで優雅にお茶を飲むなど夢のまた夢でした。


でも、こうして結婚から何年かが経ってみると少しずつ願いがかたちになっていることに気づかされます。教会で、あるいは教会の庭で、そして牧師館で、それはそれはたくさんの方々と一緒にお茶をいただいてきたな、と。さすがにオーガンディーとはいかず、庭仕事の合間にジャージ姿で通りがかりの客人と一杯、なんてこともめずらしくありませんけれど。


今年(2008年)は、『赤毛のアン』が日本で出版されて100年ということで、アンという文字を目にする機会がたくさんありました。牧師夫人でもあったアンの生みの親・モンゴメリー、そして、やはりクリスチャンである訳者の村岡花子さんの生きざまなどに再び触れる中で、もう一度、アンとの友情を取り戻したくなりました。


モンゴメリーの時代から時を経ても、牧師館は相変わらず人々と過ごす数だけ素敵なお茶の時間があるように思います。
ほんの少し、みなさんともほっとひと息つける一杯をわかち合えれば。
そんな気分でこのブログを少しずつ続けてみようかと思っています。
                                      2008年11月


             enjoy !
             
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# by Annes_Tea | 2008-11-24 21:54 | はじめての方へ
牧師館の住人(自己紹介)
e0165236_1473210.jpgprofile  yoko miya  宮 葉子

牧師の奥さん+文筆家



東京・国立市に生まれる。神戸で育ち、中央線沿線に生息後、牧師と結婚し、以来、東京・墨田にある教会の牧師館で暮らす。

立教大学卒業。会社員、出版社勤めを経て、フリーランスに。女性雑誌を中心に、ルポやインタビューを執筆、料理誌の編集にも携わる。結婚後は、牧師の奥さん活動に励みつつ、聖契神学校を卒業。2008年、女性の心を支援する「pray&hopeプロジェクト」を立ち上げる。

現在はおもに下町暮らし、教会暮らしに材をとったエッセイや、子どもの本をテーマに執筆。「向島こひつじ書房」の名で、文章指導、子どもの本のワークショップなども行う。墨東まち見世、ひきふね図書館パートナーズ、コミニュティカフェ「玉ノ井カフェ」でウクレレ教室のファシリテーターなど、まちづくりにゆるゆると関わっている。
まちと人をつなぎ、人とことばをつなぐ活動中。

「大人のための子どもの本の読書会」をこすみ図書とともに主宰。
http://d.hatena.ne.jp/kohitsuji_kosumi/
趣味はアン活動、カフェ&紅茶&煎茶道活動。庭仕事。
「自転車部」のカフェ隊長。
日本紅茶協会認定ティーインストラクター。

著書
「料理研究家たち」(NHK出版)
「料理を作る仕事につきたい」(同文書院)
「こころのごはん」(いのちのことば社)
「アンが愛した聖書のことば『赤毛のアン』を大人読み」
(いのちのことば社)


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牧師館のある私たちの教会




かまぼこ型兵舎を利用した建物です。戦後すぐ物資のない時代に、アメリカ人宣教師たちがこの地に建てました。今では建物見学者があるほどレトロになりました。新会堂建設時の楽しみにと言って、敷地のどこかに当時の宣教師が埋めたタイムカプセルが隠されています。いったいどこに? 中身は何? 早く新会堂を建てて発見してあげないといけませんね。

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# by Annes_Tea | 2008-11-24 21:48 | 牧師館で暮らす


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