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下町すみだ牧師館暮らし牧師の奥さん&文筆家・宮葉子のブログ             
by Annes_Tea
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宮 葉子 yoko miya
文筆家+牧師の奥さん


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墨田区のふたつの拠点を中心に、子どもの本のロングセラーを読むゆるやかなサードプレイス。幅広い年代が参加されています。


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もう一度、アン
もう一度、アン_e0165236_23273283.jpg

子どものころ、愛読書を聞かれると迷わず『赤毛のアン』と答えていた。
アンの世界に足を踏み入れたのは小学4年生だった。ラベンダーカラーのシリーズ本を、子供の本専門書店「ひつじ書房」で一冊ずつ買い揃えてもらった。
ひとり暮らしを始めるときも、この10巻だけは持って実家を出た。転居のたびにいつでも取り出しやすい場所に置く、いわばわたしの相棒である。遊びに来た人がアンシリーズを見て、こういうの好きなんだ、と意外そうに言われることもよくある。


アン好きの多くの人たちと同じく、わたしも村岡花子さんの訳にこだわる一人である。それまで読んできた児童文学とは、どこか文体の雰囲気が違っていた。実際には少し難しくて、意味のよくわからない言葉も多かった。それでも、「婦人外国伝道後援会」も「客用寝室」も「歓喜の白路」も、きらきらとした異国の言葉のように心に響いた。「○○だわ」というアンの言い回しは、いまもわたしの中に根づいている。
当時、手紙を書くのに夢中になっていたので、アンの得意な「熱烈」だとか「想像の余地」だとかいう言葉を使い、ときには何行かを引用して、大人たちを感心させては得意がっていた。


大人になってから、松本侑子さんの注釈付きの訳本を読んだ。
その中でアンの物語には、シェイクスピアなど文学からの引用が多く含まれていることを知った。中でも聖書からの引用が多いのは、モンゴメリーがクリスチャンの祖母に育てられ、自身も聖書に親しんだことと関係があるのだろう。
あ、つながった、と思ったのは、わたしもそのころ聖書を読み始めたばかりだったからだ。わたしが憧れて引用までしてきた文章は、もしかすると聖書のことばだったのかしれない。


これまで生きてきた中でぼんやりとしていた事柄が、何かでつながっていくのを見るのは楽しい。新しい意味、新しい物語がそこから始まっていくからだ。
アンが再び身近になったのは、何度も言うように、モンゴメリーと同じように牧師夫人になると決まったからだ。
それに加えて、今年はもうひとつつながったことがある。それは村岡花子さんの生涯を明かした『アンのゆりかご』という本に出会ったおかげだ。この本は、村岡さんのお孫さんである村岡理恵さんの筆による。
じつは、村岡花子さんは何かの講演会のおり、わたしの母の実家に一泊だけ滞在してくださったことがあると聞いていたので、一方的により親しい気持ちを抱いていた。
その彼女もクリスチャンであること、そして、アンを翻訳する仕事を、カナダ人宣教師から託された戦時下でのミッションとしてとらえていたことをこの本を通して初めて知った。


教会にはアン好きが多い。アンと同じように、教会が町の中心となって人々をつないでいく物語に、ローラ・インガルスの『大草原の小さな家』がある。
どちらかといえば、テレビの実写で何度も再放送されてきた大草原の方が、印象が強いようで、教会の人たちにはより人気がある。
先日、テレビシリーズをもう一度DVDで見直したという60代の男性が、嬉しそうに教えてくれた。たまたま見た回が、教会建築にまつわる話だったのだという。その人は、学生時代にアンも読んでいて、「道の曲がり角」の話で二人で盛り上がってしまった。出版社で働いていた時、アンだけはよくわからない、という男性編集者の声をよく聞いていたので、アン好きの男性が身近にいたことに嬉しくなった。


アンを読んだことある?
日ごろ接している小学生たちに聞いてみるのだが、100人いて1人がいいところだ。
ほとんどが知らないか、お母さんから聞いたことがあるような気がする、という答えがいいところ。時代がどんなに変わっても、できれば小学生の間に読む機会があれば幸せだと思っている。とくに4、5年生。いつもそれこそこの学年には「熱烈」にすすめる。
今年はそれで5人のファンを生み出すことができた。
子どもたちにも読み継がれていってほしいが、大人になった女性たちにも、もう一度アンを、とすすめてみようかなとも思っている。
by Annes_Tea | 2008-11-24 22:02 | 赤毛のアン
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