下町すみだ牧師館暮らし文筆家、宮葉子のブログ             
by Annes_Tea
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宮 葉子 yoko miya
文筆家+牧師の奥さん


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暴走ボーダーコリー

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コンセットハットの会堂は、両脇がすべて窓になっている。
季節がよくなると、ブロック壁を渡るネコやカラスと礼拝中にふと目が会う。
この日は、女の人だった。
どうやら奥にある、牧師館へ向かっているらしい。
その姿にただならぬものを感じて、
説教中の夫には申し訳ないとは思ったけれど、静かに後ろから抜け出した。

女性は同じくボーダーコリーを飼っているよしみで、
散歩中、ときどき挨拶を交わす人だった。
「ボーダーコリーがこの辺りで暴走しているらしいんです」
トウソウではなく、ボウソウ、と彼女は言った。
「うちのじゃないかって、電話がきたんです。
でも、うちのはちゃんと家にいるし、
もしかして、メルちゃんじゃないかと思って見に来てみたんです」
メルは外で飼っていないが、家族以外の人が玄関へ近付くと、
ウウッ、と低くかすかな声で2、3回うなる。
わたしたちの場合には、キュンキュンとせつない声を出す。
それで、メルがいるかどうかは玄関を開けなくてもすぐにわかる。
彼女も、早速、ウウッとやられたようだった。

荒川河川敷を散歩する顔見知りのボーダーは全部で6匹だ。
ボーダー気質からか、群れて一緒に遊ぼうとはあまりしない。
でも、飼い始めたころの苦労は、お互いにうっすらと知っている。
いわば同志である。
とくに男の子。まさかこんなに大変だとは思わなかった、とだれもが言う。
今度飼うならぜったいに女の子がいい、とも言う。
自分たちの飼い犬に、さんざん忍耐を試されて、
いまでは、ボーダーらしい賢さをそれぞれに見せるようになっている。

あの子かな、この子かな、
と思い浮かべてみたけれど、みんな飼い主との関係はすばらしくよく、
とてもボウソウするとは思えない。
そのとき、ふと思い出したのが、
河川敷に連れてくるのをやめてしまったというボーダーのことだ。
毎度トラブルを起こすので、
3年ほど前から家の周りの散歩に切り替えたとも聞いている。
でも、この話は、いつものように犬仲間たちからの口伝えなので、
真偽のほどはわからない。
それでも、ああ、あの犬かもしれないという気がしたのは、
昔、メルともけんかすれすれになったことがあるからだ。
そのときの飼い主の、しょげた表情は見ていて気の毒だった。

外は、晴れ。
犬でなくても、明るい場所へと出かけたくなるような季節だ。
新鮮な草が生い茂る中、一心に走り回る楽しさを、
そのボーダーが夢見たとしても不思議はない。
メルはわたしたちと暮らす1歳半まで
「走り回る」という経験をしたことがなかった。
そのせいだろうか、
初めて水元公園でへとへとになるまで走り回った日の夜、
メルは夢の中でも走っていた。
眠ったまま両脚で空を漕ぐ様は、まさに走る姿そのもの。
あまりにかわいくて、同時に、あまりに不憫で、
わたしたちの心をわしづかみにされた瞬間だった。

結局、ボウソウボーダーの正体も、
どうなったのかもまだわからないままである。
飼い主の元に戻ったのならいいのだけど。
それにしても、
通りを暴走するボーダーを、今でもちょっと見てみたい。

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ときどき、リフレッシュをかねて、
お休みの日には水元公園まで足を延ばします。
午後4時を過ぎるころには小型犬は帰り始め、
大きめの犬を連れた人たちがわらわらと訪れます。
この日は、30分の間に、5匹のボーダーに会いました。
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by Annes_Tea | 2009-06-09 01:43 | ボーダーコリーのメル | Comments(4)
Commented by Sparrow at 2009-06-09 16:48 x
夢の中でも走ったメルちゃん、かわいそうに、そして、良い飼い主さんと巡り会えて良かったね!
暴走したコも、無事何事もなく帰って来れるといいですね。うちの犬は、よく家出して、私たちが追いかけると、自分は楽しそうに少し走ってまた立ち止まり、私たちが追いつくのを待っていました。
時には近所のオバさんに抱えられて帰ってきたこともありました。肥満ワンコをだっこする羽目になったオバさんは気の毒でした。。
Commented by Annes_Tea at 2009-06-10 22:18
Sparrowさん
コメントを読ませていただき、ほほえましい光景が目に浮かんできました。メルもノーリードにすると、少し行っては振り向いて待ってくれます。こういうこと一つ一つが、ほんとかわいいものですよね、犬って。例のボーダーさんのウワサは、あれ以来何も耳に入ってこないので、無事に帰ったのかな、といいように思っています。
Commented by コメット at 2009-06-10 23:39 x
暴走したボーダーさんが今平安でいられることを願います。
私も、ホームズが我が家にきた去年の9月、まさかこんなに手がかかるとは思っていませんでした。
以前も、外飼いでしたが、柴犬やミックスなど飼っていて、ホームズは6頭目。初めての室内飼いで、トイレのしつけやあまがみをやめさせることで、へとへとになり、いっそのこと外に出してしまおうかと何度思ったことか…でも、手をかけて世話をしていると、言うことをきくようになって、かわいくなってきましたね。とりわけ、ジェントルリーダーで楽しいお散歩が復活した今、家族に「お母さんが一番溺愛してる。」って言われてます。
Commented by Annes_Tea at 2009-06-11 20:32
コメットさん
わ、すごい! ホームズくんは6代目のわんちゃんですかぁ。コメットさんは犬の飼い主さんの大先輩だったのですね。他の犬だったら、こんなに大変ではないのだろうかと、常々思ってきましたので(なにしろ犬ビギナー)、なんだか安心しました。ボーダーコリーは犬ではなくて、つまりボーダーコリーなんですよね。かわいくなってきた気持ちも、共感できます。わたしも途中まで、微妙な気持ちでしたから。よかった、よかった。
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